
ライフスタイルブランドUNBUNDLEが生まれるまで。【前編】
私たちプラスディーは「デザインの領土を開拓する」をパーパスに掲げ、その実例のひとつともなるライフスタイルブランド、「UNBUNDLE(アンバンドル)」を立ち上げました。
それと同時に、第一弾商品となる、史上初のノンアルコールボトリングシャンディガフ「Alternative Shandy Gaff(オルタナティブ シャンディガフ)」を発売しました。
私たちがなぜブランドを立ち上げ、プロダクトを生産し販売するのか。
前編ではブランドの生い立ちから紐解いていきます。
デザインの領土を開拓する──その先にある未来に、どんな価値観を重ねていけるか
――どのような経緯でブランドが立ち上がったのでしょうか?
コロナ禍でアルコールとの向き合い方を考え直す時期であり、ノンアルコールの飲料を自社販売するプロジェクトが始動しました。シャンディガフの語源は、「混ぜ合わせる」という意味のフランス語。「これまでの固定観念を壊し、多様な価値観を混ぜ合わせることで新たな価値観を生み出す」というコンセプトの元になりました。
その後2021年3月頃に、会社のステートメントやブランドパーパスを改めて定める流れがあり、当初シャンディガフの商品名として考えていた「UNBUNDLE」をデザインの領土を開拓していくためのプロジェクトとして設計し直しました。
――ブランド設立にあたって大切にしたことはありますか?
ウィズコロナ、アフターコロナ以降のライフスタイルはいわゆるニューノーマルといわれる時代のスタイルですが、もうニューノーマルという言葉すら新しくないですよね? 価値の問い直しを行っていく中で、「僕らにとってこれって既にやってること、ノーマルですよね」ということを訴求できればと思いました。
クライアントのベネフィットを考える課題解決の型である「デザイン思考」をではなく、UNBUNDLEにはオルタナティブな発想として問題提起から入る「アート思考」が大きく作用しています。
即効性を持ってビジネスに直結するのではなく、世の中を形作っている各個人に対して、思考や性質を少しでも動かそうとするものです。
「あえて飲まない」ポジティブで新しい選択肢
――第一弾のプロダクトとしてAlternative Shandy Gaffを生産した理由を教えてください。
コロナ禍におけるライフスタイルの変化や、飲食店の酒類提供禁止、また健康志向もあり、ノンアルコール市場が大きく注目を浴びています。しかし現在日本のノンアルコールドリンクは、「仕方なく」飲むという、消極的な印象が強く、アルコールに比べて味への期待が少ないのが実情です。
また、多くのノンアルコール飲料のパッケージは、アルコール飲料を模倣しており、「飲みたいけど飲めない人」への、アルコールの代替品としてのアプローチがほとんどです。
一方で、ここ数年、Sober Curious(ソバーキュリアス)と呼ばれる、「あえてアルコールを飲まない」ライフスタイルのムーブメントが起こりました。
“しらふに興味を持つ姿勢”という意味合いを持つこのソバーキュリアスは、身体も精神も健康的に豊かに過ごしたい人々から支持を集め、ポジティブなノンアルコールの選択が増えています。
「飲める」「飲めない」の2択ではなく「あえて飲まない」というこの新たな価値観を、UNBUNDLEとして世の中に発信していきたいと考え、オルタナティブ ・アルコールの開発に着手しました。
そこで私たちは、社員アンケートからあがったシャンディガフというカクテルに立ち戻ります。UNBUNDLE(アンバンドル)の想いを表現するのにふさわしい飲料、かつ、プラスディーのイメージと合致したことから、本商品の開発に至りました。
生姜の風味を再現したジンシャーエキスと、ビールテイストを演出する麦芽抽出物を混ぜ合わせることで、ソバ-キュリアスを選択する人に喜んでいただける、史上初のノンアルコールボトリングシャンディガフが完成したと自負しています。
――購入していただいたお客様にどうなって欲しいと願っていますか?
商品を通して“気付き”を1つでもご提供したいと、プロジェクトメンバー全員が知恵を絞っています。例えば、Alternative Shandy Gaffでいうと「ソバーキュリアス」というライフスタイルを知っていただけることで、少しでも良い時間が増えることを願っています。世の中に直接的に大きなインパクトは与えられなくても、お客様が普段より少しだけ贅沢で豊かな時間を過ごすお手伝いができればと思います。
そんな想いをもって、UNBUNDLEを運営していきます。
後編へつづく
写真:西田優太