プロジェクト

関わるステークホルダー全員が『total-win』の関係をつくるために。【地方創生編】

2021.9.10

# プロデューサー# 地方創生# ブランディング

2021.9.10

TOHOシネマズで上映中の映画作品情報の確認やチケット購入もできるTOHOシネマズ公式アプリ。ARを使用した映画館連動型キャンペーンに広告枠の導入など、その制作に初期段階から携わったプロデューサーの湯原靖公にインタビューをする。プロデューサーとしてプラスディーの案件に携わる彼は、ANAの欧米豪インバウンドに特化した地方自治体向けの訪日外国人誘客事業を契機に社内の地方ブランディング案件の基礎をつくりあげた。前編後編にわたってクライアントと制作会社双方が満足するクリエイティブをつくるための関係構築の方法を聞いた。

PROFILE

湯原靖公 チーフプロデューサー
webデザインの制作会社に入社し、エンタメを中心とした音楽系アーティストのオフィシャルサイトや映像・イベントを絡めたプロモーションなど、幅広い分野にて制作ディレクションを経験。スピード感と様々なジャンルで制作に携わるプラスディーに魅力を感じ入社。入社後は世界6大マラソン大会の1つでもある東京マラソンの公式サイトや航空会社ANAが行う外国人観光客向けのブランディングサイト、企業のインナーイベントなどを担当。最近ではTOHOシネマズ公式アプリを主体に映画配給会社の各種プロモーション施策を行っている。

デジタルのプロだからこそできる提案方法。ゴール地点を先に示して逆算することでつくり上げていく

――地方ブランディングの取り組みは?

初めて関わったのは、ANAグループの欧米豪インバウンドに特化した地方自治体向けの訪日外国人誘客事業である「ODYSSEY JAPAN」です。山形、鳥取、佐賀、宮崎といった欧米諸国の方々が普段なかなか行かない場所や秘境にフォーカスして、その美しさや魅力を伝える動画や記事コンテンツの制作を行いました。現地で実施する各種ツアーを紹介することで、観光にきた欧米諸国の方々が楽しめるコンテンツを目指しました。

このプロジェクトでプラスディーがもつ総合的なクリエイティブの力、デザインやエンジニアリングも含めた高いアウトプット力を発揮できたことが、株式会社ANA総合研究所さんからの信頼につながり、その後の地方自治体のブランディング案件にも度々お声がけいただけるようになりました。

また、株式会社ANA総合研究所さんからのご紹介とは別に、プラスディー日南支社のつながりで出会った、地方創生を主にエリア開発事業を行う株式会社つぎとさんからのご紹介での案件もあります。地方に根差した課題をクリエイティブの力で解決しようと、力を合わせてさまざまな取り組みを行っています。

最近だと、土にこだわって果物のおいしさを追求しているブランド『on the soil』もそうですね。

果樹園を営む若者お二人による果物のブランドで、ロゴからWebサイト、ブランディングムービーインタビュームービーも含めた全体のクリエイティブディレクションを行っています。

いくつか関わった案件を紹介しましたが、地方案件に取り組む中で特に自分が大切にしている想いがあります。それは、「相手の立場に立ってー案件ごとにベストな進め方を考えること」です。通常のクライアント業務とは違い、Webやクリエイティブへの知識が少ない人も少なくありません。そのため、サイトマップやワイヤーを確認してもらおうとしたり、原稿を用意してくださいと依頼したりしても、なかなかスムーズにいかないんです。そこで僕たちはまず、「自分たちが考える完璧なWebサイト」を勝手につくってしまうことから始めます。それに対してデザインが気になる点を指摘してもらったり、テキストをリライティングしてもらいます。途中の確認を飛ばしているため「全然ちがうから全部やりなおし」となるリスクもあって最初はけっこう怖かったですね。でも実際にはそういうこと全然なくて、むしろ段階を踏んで提案していた頃よりも、断然よろこんでもらえることが多くて。知識のない先方から吸い上げたイメージを再現しようとするよりも、プロである僕らの考えるゴールを提案し、それをベースに意見をいただくほうが、仕上がりのクオリティも上がるので、今ではこのやり方がスタンダードになっています。

地方自治体がクライアントになるので、市役所の方々とのやり取りも頻繁に行います。市役所の方ってその土地の方にも非常に信頼されていますから。今までであれば撮影終わりにお酒の席に呼んでいただいて交流を深めることも何度もありました。打ち解けてくると制作のヒントになるような想いやこだわり、思い出話がポロッとこぼれることもあるので、宴席でもメモを欠かさないようにして、常にアンテナを張っておくことがヒアリングのポイントかもしれません。
相手にも喜ばれますし、人と人との話なので。温かい人柄の方が多いので、畑で採れた果物をいただいたり、撮影を見守ってくれていたりと交流は絶えません。だからこそ個人としてもつながりを大切にしたいですし、想いをしっかり集めてアウトプットすることが双方のよろこびに繋がると考えています。適当な仕事はできないし絶対にしたくないですね。

人によって得意なことが違うからこそ、適材適所でのチームワークが生きる。関わった人全員が喜ぶtotal-winな関係をつくっていきたい

――今までの経歴で今に生きていることは?

元々、この業界に入る前は文化服装学院で服飾の勉強をしていました。20歳くらいのとき、佐藤可士和さんのMacのCMを見てめちゃくちゃかっこいいなと感じてMacを購入してデジタル制作の面白さにはまっていったのが今の仕事に関わる始まりでした。丁度Web1.0から2.0に移り変わっていく時代で業界としても過渡期でしたね。

そんな人をワクワクさせるものを自分もつくってみたくて、デザイン会社に入りwebデザインやコーディング、Flashアニメーションを学びました。その後、エンタメを中心とした制作会社に転職し、音楽系のアーティストのオフィシャルサイトやイベント、MVの制作に携わるようになります。そうなると、ひとりじゃできないこともどんどん増えてくるんですね。
FacebookやTwitterなどのSNSを使ったプロモーションが台頭してきた時期でもあり、肩書きはディレクターでしたが、チームが大きくなるのに連れておのずとプロデューサー的な立ち位置を任されるようになりました。とはいえ現場の統括をしつつ、ディレクターとして手を動かしながらアイデアを出すこともしょっちゅうで。動画の香盤やイベントのシナリオも書きましたし、挑戦出来ることは何でもしました。
ここからプロデューサーになった、という区切りはないのですが、制作範囲がどんどん広がることによっておのずとチームのみんなで何かをつくろうという想いが身についたのかもしれません。
自分はクライアントが悩んでいること、本音を引き出して、課題として具現化させることが得意です。ただ、それだけでは解決には至らないんですよね。解決のためには、同じ方向を向いてくれるクライアントや、外部パートナーの協力が不可欠です。チームを率いる人間として、関わる人たちが全力を出せるよう自分が率先して動くことが大事だと気付いたタイミングでもありました。

――プロデューサーとして大切にしている役割は?

プロデューサーとしての役割として『言い出しっぺでアンカーである』という心構えでいます。自分のやりたいことを示したうえで、走り出した後の責任も取る。例えば、先ほどお話したARカメラの施策はかねてから自分がやりたいと思っていたものでした。さまざまな要素が絡むものになるので、提案者としてリスクを考えたうえで常に矢面に立って案件に取り組んでいました。
プラスディーでは0から案件の提案をしていくことも頻繁にあります。先ほどお話した地方案件の進め方もそうですが、手法や内容によって進行方法は多岐に渡るので。案件によって、0を1にするのが得意な人、1を100にするのに長けている人など得意分野を伸ばせるチームづくりを心掛けています。
自分の得意分野を提言できる人と働くと楽しいんじゃないかとは思いますね。
例えば、デザイン案を出してもらったけれど事前に伝えた方向性と明らかにズレている場合は、「なんでそうしたの?」と聴く姿勢から入ってその後で必要であれば指示を出すようにしています。できないことがあったとして、だから駄目だと判断することは絶対にしないです。まずはやらせてみて、その人が受け取る反応や仕事のスタイルをよく見るようにしています。個々の得意分野を見つけることは得意なほうかもしれません。自分自身にも出来ないことはたくさんありますが、各自の足りていない部分を他のメンバー同士でフォローすることで個が集まった一つのチームとして良い関係値をつくっていきたいです。

みんなが喜ぶtotal-winな関係をつくるには

――プロデューサーとして考える今後の課題は?

プラスディーには自分と同じ方向を向いて一緒にクリエイティブを楽しんでくれる仲間が揃っています。制作チームだけではなく、クライアントや外部のパートナー企業、コンテンツを楽しんでくれるユーザー含めたみんなが楽しめるコンテンツを提供していくことも自分の重要な課題です。
そのためには、どの職域に関わらず、クライアントの課題を明確にしてそれに応じた的確なアウトプットを提示できる人が必要です。決まったことに対して動くのではなく率先してその一歩先を考えて行動できる人材が増えていくと会社として更に成長していけるのではと思いますし、会社として請け負う仕事の幅も広がっていくのではないでしょうか。

自分が旗振り役になり、時代に即したクリエイティブを考えることで自分の仕事に関わるみんなが喜ぶtotal-winな関係をつくっていければいいなと考えています。

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